みんな、「燃える氷」って聞いたことあるかな?
この「燃える氷」がメタンハイドレートなんだよ。
「氷が燃えるの!?氷に火なんてつかないでしょ?」って思うかもしれないけど、
これにはちょっとからくりがあるんだ。
メタンハイドレートがどんなものかっていうのを説明するよ!
メタンハイドレート(Methane hydrate)
新しいエネルギー メタンハイドレート。
メタンハイドレートとは、天然ガスから得られる「メタン」という物質が、
周囲を水分子に取り囲まれて氷状の結晶になったものなんだ。
この「メタン」という物質は、石油や石炭に比べて、燃えるときに出る二酸化炭素の量がおよそ半分であることから、
近頃問題になっている地球温暖化の対策にうってつけじゃないか!?って期待されているエネルギーなんだよ!
1967年 | 天然ガスハイドレート岩石資料が世界で初めてシベリアのヤクーチャの永久凍土地帯で採取された。 |
1974年 | カナダのマッケンジー・デルタで、天然のメタンハイドレートが浅い砂質層に埋蔵されている事が発見された。 |
1996年 | アメリカ合衆国内の海底において発見され、具体的研究が進められる。 |
2002年 | 日本・カナダ・アメリカ・ドイツ・インドの国際共同研究として、カナダのマッケンジー・デルタ Mallik 5L-38号井において、世界で初めて地下のメタンハイドレート層から地上へのメタンガス回収に成功した。 |
2006年 | 東京大学や海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究グループによると新潟県上越市直江津港沖合30km付近に海底上(水深約900メートル)に露出しているメタンハイドレートを確認。海底面上にあるのは東アジア初。 |
「ガスハイドレート」という、メタンハイドレートに似たような物質は、
実は1930年代にはすでにシベリアなどの寒いところで発見されていたんだ。
でも、実際にメタンハイドレートがたくさん見つかったのは、本当に最近のことなんだ。
そして、2006年の東京大学×海洋研究開発機構の研究グループによる上越沖のメタンハイドレートの発見は、
海底電気探査という方法で確認することが出来たんだよ!
※写真はWikipediaより引用
海底電気探査とは
深海曳航調査システム「ディープ・トウ」という素敵なロボットくんを使って、海底の近くで弱い電流を流してデータを計測することによって、地層の電気抵抗を調べる探査方法のことなんだ。
2006年の調査では、海洋調査船「かいよう」が、このディープ・トウくんを引っ張って沈めて、約900メートルの深さの海底の調査をしたんだよ。
どうだい!なんだか楽しそうだろう?
メタンハイドレートの採取と今後の課題
メタンハイドレートは、残念なことに氷だから、すぐとけちゃうんだよね。
それに、メタンハイドレートを掘りだすために、どれぐらいのどんなエネルギーを使う?っていうことを考えたら、なかなか採算が合わなかったりするんだ。
だけど、上にも書いてある通り、エネルギーとしてのメタンハイドレートはなかなか優等生なんだ。
だから、なんとかうまいこと掘り出せないかなあ、と今みんなが考えているところなんだよ。
いっそのこと手こぎボートと人力発電で行っちゃった方がいいかもね!
下の写真は、掘ったばかりのメタンハイドレートだよ。
これは「ピストンコアラー」という装置によって、直径10cm・長さ6~12mの金属製の「筒」を海底に突き刺して、地層からコア(地質試料)を採取して掘りあてたんだ。
どうだい!ドロドロだろう?
これをきれいにして純度の高いエネルギーにしようと、何だかんだやってる間に、周りの氷がとけてメタンが気体になってどこかにいっちゃうんだよ。
大変だよね!みんなの知恵でなんとかしておくれよ!
※図・写真は下記サイトより引用
JAMSTECプレスリリース