![]() 米国OBE(1997年撮影) |
![]() 米国OBM(1997年撮影) |
![]() WHOI-OBEMの投入の様子(撮影:島伸和氏、2005年) |
海底下浅部の部分溶融体や石油資源などを調査するために、スクリプス海洋研究所のDr. Constableらは短周期OBEMを開発しました2。SIO-OBEMの特徴はインダクションコイル型磁力計を採用している点です(写真右:青いテープが巻かれている棒状のもの)。これによって数10Hz~数千秒の比較的短周期の磁場変動を高精度で記録できます。トーション型磁力計や、フラックスゲート型磁力計よりも短周期の磁場変動に感度が高いため、SIO-OBEMは「短周期OBEM」と呼ばれることもあります。 | ![]() オーストラリアにて (藤浩明氏撮影, 2002頃) |
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データロガーなどは円筒状の金属耐圧容器に入っています。WHOI-OBEMに使われているチョッパーは搭載されていません。そのかわり、長い腕(左:かいようKY00-02航海時、両側で8m!)が特徴的です。船員さんには「タコ」と呼ばれていました。このOBEMは自然の電磁場を記録するだけではなく、海底コントロールソース3からの人工電磁場信号を受信することもできます。 |
![]() SIO型OBEMの投入の様子(2001年:正確にはEMI社製OBEM)。 前述のSIO-OBEMの改良Version。上部のガラス球(浮き)のうち1つが先取りブイ (下図)になるよう改良が施されており、電極アームも塩ビパイプ製から グラスファイバー製に換装されている。(よりタコっぽい) ![]() SIO-OBEMの投入・回収の様子4 |
Dr. P. Tarits らによって開発されたOBEMは、ガラスの浮きなどを使用せず、大きな浮力体(赤い筒の部分)を採用しています。耐圧容器は金属製です。フラックスゲート型磁力計を搭載しています。またチョッパーは装備していません。(写真はMELT実験時の回収風景、1997年) フランスも近年は、人工電流源を用いた海底下構造調査を行うようになっており、左記とは異なるOBEMを開発している様子である。 |
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Flinders大学のDr. Whiteらによって開発されたこのOBEMは2つの耐圧ガラス球から構成されており、この中にフラックスゲート型磁力計や電池などがおさめられています。フレームはユニークで、金属をほとんど使用していません(たぶんポリプロピレン製)。写真はMELT実験での回収時(1997年)ですが、2005年の海底調査でも同じ装置を使用していました。 |
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WHOI-OBEと同様にチョッパーを備えています(写真左、フレーム下方の白い円筒部分)。米国はチョッパーからでるノイズのためにOBEとOBMに分けていると聞きましたが、豪製は大丈夫なのかな?チョッパー内部の仕組みはどうやらだいぶ異なるようです。 腕はやわらかめのプラスチックパイプでできており、OBEM回収直後にのこぎりで切り離してしまいました(写真左)。 大胆ですが、確かに邪魔なんです。 ちなみにこの写真は回収後のOBEMを真水であらっているところです。こうしないとネジなどがすぐに錆びます。 |
Toronto大学のDr. Edwardsらはコントロール電磁ソースを用いたメタンハイドレート調査のために、このOBEを作成しました。3つのガラス球は浮きで、中央のグレーのパイプの中に電子機器を収めた金属性の耐圧容器が取り付けられています。磁力計は搭載していません。丸いグレーの足の中に重りが入っています。 (右:カナダのPacific Geophysical Centerでの浮力試験。1997年) |
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カナダの調査船”Tully”の甲板上で 腕をつけたところです(右:バンクーバー島沖にて、1997年)。このOBEはタイマー切り離し方式を採用しているので、設定した時間になると重りを切り離して浮上開始します。音響トランスポンダーは装備していません(このときは海底でのOBEの位置決め用に、音響トランスポンダーを外付けしました)。 |
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ドイツ製OBEMの概念図(下記Webサイトより)
”Collaborative Research Center (SFB) 574 Volatiles and Fluids in Subduction
Zones: Climate Feedback and Trigger Mechanisms for NaturalDisasters”
(Menuから、Science > Project > JGR N01をクリック)