※●=本文中で紹介した内容、○=その解説ページ。 以下の""は資料からの引用部分を示す。 【第4章:地震予知はどこまでできるのか】 地震予知は誰にでもできる? 
      この50年間に日本列島近辺で発生した地震の数:マグニチュード8クラスが3回程、7クラスが50回程度 震度1以上の体に感じる地震は、日本全国で毎日5個程度は発生
      
       関東地方だけに限定しても、マグニチュード4以上の地震は年間約30回発生
      
       1996年から2017年までの約20年間の被害地震(日本列島近辺)=151回
      
      
    「緊急地震速報」は直前の地震予知? 
      2007年に本格運用が始まった緊急地震速報
      
       P波、S波、表面波
      
       緊急地震速報:日本以外では台湾、アメリカ、イタリア、メキシコ、トルコなどにあり
      
      
    地震予知はなぜ難しいのか 
      地盤の微妙な変化から地震発生予測ができると主張する、ある有名大学の名誉教授
      
       「地震は科学的に予測できるようになった」と主張する人々は大勢いる。
      
      
    検証がない「予知」は科学ではない 
      電波の変化に基づく地震予測を長年続けているアマチュア研究者の場合
      
      
    ほんの小さなきっかけが地震を起こす 
      熊本地震が起きた布田川・日奈久断層帯の地震発生確率は、全国の活断層の中で高い方だった。
      
       最近の研究:地震の始まりとマグニチュードにはあまり関係がない?
      
        Meier, M. A., Heaton, T., & Clinton, J. (2016). Evidence for universal
        earthquake rupture initiation behavior. Geophysical Research Letters, 43(15),
        7991
        
       「雨が降ると地震が起こる」という可能性
      
       地球に影響を及ぼしている他の天体の引力も、地震のきっかけの1つになる?
      
        月や太陽の引力が作り出す地球潮汐と地震の発生との関連を調べ、将来的な地震予知を目指すhttps://www.nature.com/ndigest/journal/v2/n4/pdf/ndigest.2005.050428.pdf 
         Tanaka, S. (2012). Tidal triggering of earthquakes prior to the 2011 Tohoku‐Oki
      earthquake (Mw 9.1). Geophysical Research Letters, 39(7), doi:10.1029/2012GL051179.
         Ide, S., Yabe, S., & Tanaka, Y. (2016). Earthquake potential revealed
      by tidal influence on earthquake size?frequency statistics. Nature Geoscience,
      9(11), 834.
        
      
    「過去に起きた地震」から学べること 
      過去の地震から被害予測:高知県の場合
      
       地震発生仮説「タイムプレディクタブルモデル」
      
      
    日本は「地震情報後進国」 
      アメリカ地質調査所(USGS)の取り組み
      
       東京都:2015年に『東京防災』という小冊子を配布
      
       気象庁の震源地図は2017年現在は白地図
      
      
    地震は世の中の動乱期に頻発する? 
      巨大地震の活動期と静穏期(図32) 1596年慶長伏見地震、1605年慶長地震、1611年慶長三陸地震
      
       2016年熊本地震:熊本城の石垣は全体の約3分の2が被害をまぬがれた。
      
       1662年寛文地震(近畿地方北部)と仮名草子「かなめいし」
      
       ほぼ73年おきに起きている小田原地震
      
       1854年安政の東海・南海地震、1855年安政江戸地震
      
       地震と政情不安
      
      
      防災の知識を「自分事」にする 
      防災意識に関する実験:防災の講義を受けも受けなくても、防災意識には大きな差がでない。
      
      
    「最寄りの活断層」を知っていますか? 
      キャンパスの中を「花折断層」という活断層が走っている。
      
       活断層がどこを走っているかは意外と簡単に調べられる。
      
       高尾山山頂付近の岩は、いまから約6500万年前〜1億年前に海溝で複雑に変形した地層(付加体)
      
       都市の近くの活断層、活断層や海溝でこれまでに起きた地震の様子
      
      
    硬い土地と軟らかい土地 
      1995年阪神・淡路大震災:震災の帯
      
       2016年熊本地震:ごく狭い場所に家屋倒壊の被害が集中
      
       地盤の強さを調べるには?(図34)
      
       軟弱な地盤には約3800万人が住んでいる(日本の人口の約3割に相当)。
      
      
    「地盤が硬ければ安全」ではない 
      阪神・淡路大震災:埋立地部分では高速道路の被害はほとんどナシ。
      
       地盤に関する情報は今後さらに拡充されていく予定
      
        NHKスペシャル「大地震 あなたの家はどうなる? 見えてきた“地盤リスク”」(2017/4/12)
        
       全国の地盤の硬さを確認
      
      
    活断層からわかる予想震度マップ 建物の耐震性を調べておく 
      阪神・淡路大震災:犠牲者の約8割は建物の倒壊による。
      
       2016年熊本地震での建物被害 1981年は耐震基準のターニングポイント
      
       熊本地震:2000年以降の建物だけに注目すると、倒壊した建物はわずか2%
      
       建物の構造(4種類):木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造
      
       熊本地震(益城町):木造建物の約15%が倒壊、鉄骨造や鉄筋コンクリート造建物は約4%
      
       直下率とは?
      
       低いコストで住宅の耐震性を高める技術や、耐震シェルター
      
      
    ハザードマップは「安心マップ」ではない 
      揺れに伴う副次的な災害:地盤の液状化
      
       ハザードマップの問題点
      
      
    行政の情報不足をどう補うか 
      ハザードマップ:役所も住民もハザードマップをゴールにしてしまう傾向がある
      
       新潟県・熊本県や名古屋市での取り組み
      
       熊本地震:河川を埋め立てた場所で液状化の被害が相次いだ
      
       京都の古い地図(京都市明細図、約90年前の詳細な地図)
      
      
    地域によって異なる地震の被害 
      明治以降、大きなものだけでも10回以上の津波が日本を襲っている。
      
       東日本大震災:約9割の方々が津波で亡くなった。
      
       「1メートルくらいの小さな津波だったら安全、避難しない」という人が2011以降増えてしまった。
      
       名古屋周辺の津波到達範囲の予想(図37)
      
        Flood Map  
       救命胴衣や、クーラーボックス・畳など水に浮くもので津波から生還した例
      
        津波から生還、調布に 濁流、死も意識 福島から避難女性 (2011年3月22日、読売新聞) 津波の記憶 日本海中部地震から30年(2013年5月23日、陸奥新報)http://www.mutusinpou.co.jp/index.php?cat=66  「プロメテウスの罠 9」 朝日新聞特別報道部、学研プラス、 2015年出版 大震災「奇跡の生還」本誌記者が現場で見た聞いたhttps://dot.asahi.com/wa/2012092600489.html   
       津波:救命胴衣はあくまで非常手段
      
       「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」といった土砂災害
      
       2016年熊本地震:南阿蘇村で大規模な土砂災害が発生
      
       2008年の岩手・宮城内陸地震:東京ドーム56杯分に相当する土砂が崩壊
      
       東日本大震災でも100件近くのがけ崩れや29件の地すべりが発生、19名が死亡。
      
      
    複合災害にどう備えるか 
      1923年(大正12年)9月1日に起きた関東大震災
      
       阪神・淡路大震災でも、地震直後に150箇所ほどで一斉に火災が発生
      
       東日本大震災でも多数の火災が発生(津波火災、東京湾岸のコンビナート火災など)
      
       延焼危険度(火災が燃え広がる危険性)
      
       スロッシング、長周期地震動
      
       地震時に種々の被害が広い地域で同時多発的に発生=複合災害
      
      
    火山噴火が引き起こす災害 
      火山:災害につながる噴火現象
      
       火山では地震もしばしば発生(1984年長野県西部地震)
      
       福島県磐梯山の大噴火
      
       巨大カルデラ噴火
      
      
    活火山にもあるハザードマップ 【あとがき】 
      今後30年以内に北海道釧路沖〜根室沖で超巨大地震が発生する確率が高い。
      
       南海トラフ巨大地震:2017年9月に地震予知に関する方針を転換
      
       東日本大震災では、海岸線から遠く離れた内陸でも「津波」が発生
      
       2008年の岩手・宮城内陸地震でも発生寸前
      
       隣の古いビルが倒れてきたら? 外出先で地震にあって、天井や建物の一部が崩れてきたら?
      
       日本での交通事故回数(1年間)
      
       「防災省」や「防災庁」
      
       (米国)2017年9月、人工知能を用いた地震の事前予測に関する研究に注目が集まった。
      
        機械学習による地震予知AIの開発めざす - ロスアラモス研究所https://news.mynavi.jp/article/20170908-a164/ 
         Rouet-Leduc, B., Hulbert, C., Lubbers, N., Barros, K., Humphreys, C., &
      Johnson, P. A. (2017). Machine Learning Predicts Laboratory Earthquakes. Geophys.
      Res. Lett., 44 (18), 9276?9282, DOI: 10.1002/2017GL074677.
        
       (日本)統計学に基づいた、大地震に先立つ地震(前震)を見分ける方法
      
      
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