ペットボトル電極の作成方法
はじめに
自然電位分布の調査は、地下に埋まっている金属物質や、地下水流動などを調べることができる、最も簡単な探査法の一つです。
自然電位測定を行う場合は、非分極電極が必要です。単なる金属棒を地面に刺しても、地面と金属棒の間で分極が発生し、測定電位差は大きくドリフトするため、2地点間の電位差(地電位差)を正しく測定することはできません。ここではペットボトルを用いた銅-硫酸銅非分極電極の作り方を紹介します。
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用意するもの
(電極2本あたり)
500mlペットボトル(断面が丸型のもの)
※四角型は丸型より電極の耐久性が低いようです。 |
2本 |
石膏 |
500g |
防水用シール剤(コーキング剤) |
50g |
漏斗 |
1個 |
銅製針金(太さは1mm程度) |
1m |
ガラス板あるいは陶板
(ペットボトルが乗る大きさ) |
1枚 |
硫酸銅粉末 |
10g程度 |
カッターナイフ |
1本 |
はんだごて、はんだごて台 |
1組 |
ビニルテープ |
1巻 |
カッターナイフ |
1つ |
水道水 |
300ml程度 |
作り方
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ペットボトルの底に淵の部分を残して穴を開けます。(後で使用する石膏が穴から落ちるのを防ぐため)
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石膏と水を質量比1:1で混ぜます。
石膏はペットボトル1本あたり50-100g程度使用します。
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石膏を混ぜ終わったら漏斗を使ってペットボトルの口から石膏を流し込みます(手早く!石膏が固まってしまう!)。石膏が下図のように底から4cm程度になれば流し込むのをやめて固化させます(1時間程度)。ガラス板か陶板の上にペットボトルを置いて石膏を流し込むと、石膏が乾いた後、ペットボトルを綺麗に取ることができます。ガラス板には石膏の跡が少しつくことがありますが、簡単に取ることができます。
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はんだごてなどを使ってペットボトルに銅製針金を通す小さな穴を開けます(できるだけ小さく開けましょう)。図のように、太いマジックなどに巻きつけてらせん状にした銅製針金を穴に通します。
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銅製針金のうち、ペットボトルの外に出た部分を図のように折り曲げておきます。針金を通した穴を防水用シール剤などでふさいで空気や水が漏れないようにします。防水用シール剤が乾いたら、その上からビニルテープを巻いて、針金と共に固定します。そしてペットボトルの口から硫酸銅飽和水溶液を入れます。
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ペットボトルに元々ついていた蓋をすれば完成です。
はじめに
4. 完成品
出来上がりはこんな感じです。硫酸銅水溶液の漏れ具合は、ペットボトルの蓋の開け閉めで調整します。ギュッと締めれば漏れにくくなります。あと、ペットボトルが透明だと直射日光を浴びた場合、自然電位が若干変化するようです(5mV程度)。ペットボトルの表面を塗るか、覆いを作るとよいでしょう。こうして自作を行ったを用いて地表面の自然電位分布を測定すれば、地下に埋まっている金属体や、地下水脈、堤防などの漏水箇所を見つけることができるかも?試してみてください。
※写真左は電極完成直後(硫酸銅水溶液を入れる前)。写真右は野外での実際の使用例(詳しくはこちらも御覧ください
)。ただしこのタイプは上記とちょっとだけ違っていて、ペットボトルの蓋に穴を開けて銅線を通しています。ただこれだとテスターへと延びる赤い銅線が風などで揺れると電極も揺れてしまいます。上記の改良版のほうが安定性は良いです。