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GMT講座 その4:簡単なグラフを描いてみる
いよいよGMTでグラフを描いてみましょう。
これから後はCygwin上のtcshウィンドウ上での作業となります。
「GMT(ver. 3.0)よいよいガイド」(関連URL1)を参考にしながら、実際にグラフを
書いてみましょう。
1)まずデータを用意します。下記の数値をjb.datというファイル名で保存します。
これは地球内部の地震波速度の一例 【深さ(km)&速度(km/s)】 です。
(ただしGMTの練習用であり、正確な値ではありません)
0 5.57
15 5.57
15 6.50
33 6.50
33 7.75
35 7.76
92 7.99
238 8.41
331 8.73
405 8.96
465 9.51
564 10.14
678 10.66
858 11.19
1151 11.65
1478 12.12
1845 12.62
2152 12.98
2666 13.57
2733 13.63
2900 13.65
2)GMTコマンドを使ってグラフを作成する。
以下のGMTコマンド(1行)をtcshウィンドウに入力し、実行する。
psxy jb.dat -JX4/-4 -R5/15/0/3500 -Ba5f5g2.5:"P-wave Velocity [km/s]":/a500f500g250:"Depth [km]":WSne:."J-B Model": -V -P -Xa1.5i -Ya1.5i -: > jb.ps
3) 作成できたグラフを見てみる。
jb.psがグラフです(Postscript形式のファイル)。
これは「gv」というコマンドで見ることができます。
gv jb.ps
----
どうですか?画像1のようなグラフを描くことができましたか?
このようにGMTはたった1行のコマンドだけでグラフを描くことができます。
以下は解説です。詳しくは「GMT(ver. 3.0)よいよいガイド」(関連URL1)も見てください。
・psxyは通常の折れ線グラフなどを描くコマンド
・グラフの詳細はオプションで制御します(ハイフンで始まる各部)
・ファイル名(jb.dat)を書くだけでデータを読み込みます。総データ数の指定は不要。
データ間がスペースで区切られている2列のテキストデータの場合は、
自動的に1列目をX軸データ、2列目をY軸データに割り当てます。
ただし -: オプションをつけると、1列目をY軸データ、2列目をX軸データにします。
・-JX4/-4 :グラフや地図の投影方法や、X軸・Y軸のサイズを指定
JXだと通常のグラフ(地図ではない)。4は「X軸長を4インチに設定」の意味であり、
-4は「Y軸長を4インチに設定。ただしY軸は上下反転」とするという意味です。
・-R5/15/0/3500:X軸、Y軸の最大・最小値をそれぞれ定義します。
ここではX軸は5~15、Y軸は0~3500に設定しています。
GMTはGnuplotやExcelなどと違って、最大・最小値の自動調整機能はありません。
GMT標準コマンドである「minmax」を使って、あらかじめ最大・最小値を調べておく
必要があります。
・-Ba5f5g2.5:"P-wave Velocity [km/s]"(略):軸の設定
どの程度の間隔で軸に目盛などをつけるかを設定します。この例では、
間隔5ずつに軸に数字をうち、目盛も5間隔、罫線については2.5間隔で引き、
軸ラベルは「P-wave Velocity [km/s]」としています。これはX軸についてであり、
引き続きY軸の設定およびグラフ全体の表示タイトル(J-B Model)の設定を行えます。
・-V:GMTコマンドが今どんな処理をしているかを表示します(なくても問題ありません)。
・-Xa1.5i -Ya1.5i:グラフ原点を用紙の左下(座標原点)から何インチ横、上へずらして
グラフをプロットするかを設定します。「a」は絶対座標の意味で、複数のグラフを
重ねたりずらしたりする際に必要です。「i」はインチの意味です。
以上のオプションに関しては、psbasemapというコマンドのマニュアルに詳しく出て
います。ハワイ大学のオフィシャルサイトのDocsにあるManualをみるか、もしくは
tcshウィンドウ上で「man psbasemap」と入力して、psbasemapのマニュアルを表示
してみてください(英語ですけど…)。
また「GMT(ver. 3.0)よいよいガイド」(関連URL1)を含む、UNIXやGMTの解説
資料が下記関連URLの2番目にありました。参考にしてみてください。
※なお作成されたPostscript形式のファイル(Postscriptファイル)をみるためだけに
Cygwinを起動して、tcshを起動して、gvを起動する…のはめんどうです。Windows版
のGhostscript, Ghostviewという2つのソフトでもPostscriptファイルを表示できるので
インストールをお薦めします。詳細は関連URL3番目のサイトを見てください。
なお私の環境では、「GhostScriptにパスを通す」の部分は実施せずとも、
Ghostviewが立ち上がり、Postscriptファイルを表示できました。
続く。
[関連URL]
http://staff.aist.go.jp/h.horikawa/byproduct.html |
http://dyna.geo.kyushu-u.ac.jp/~yoshioka/Download/H18TEXT_REV.doc |
http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/~konami/softwares/ |
[関連画像]
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