幻冬舎「海の授業」特集サイト

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参考資料(1)

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1. 最初はマグマの海だった

• 「海の平均の深さ」
  これには実は複数の説があります。
  3,650m＝藤尾伸三, 流体地球科学（講義資料）, 2009.
  3,729m＝理科年表, 2013.
  3,800m＝およその値。出典が見当たりませんが、あちこちのページで見かけます。
  　- 海洋研究開発機構（おしえて！海のこと、地球のこと）
  　- 地球最後のフロンティア　深海を探る（東京大学海洋研究所）　※下図
  

  

  　- 海から聞く地球のメッセージ（産業技術総合研究所）
  　- 海の自然のなるほど 「海の深さと広さ」（日本海事広報協会）
  　- 海のテキスト 第一部 海を知ろう（東海大学海洋学部海洋科学科）
  　- 海の平均の深さはどれくらいなの（学研教育情報資料センター）
  　- 海（Wikipeida）　※平均値として3729mと3800mが両方見られる。
  　- Ocean（Wikipeida）
  　- Seafriends （New Zealand）
  約3,800m（3,795m）が頻繁に引用される原因は明らかではありません（ご存じの方がおられたら、フォームからお教え下さい）。この値は随分以前に行われた古い見積であるか、小さめの海や湾を計算に入れずに得られる平均値かと思われます。例えば、カリフォルニア湾と北極多島海を計算に含めない場合、理科年表に基づくと平均水深は約3755mになります。一方で、太平洋・大西洋・インド洋・北極海・南極海の平均水深は約3920mです。3,800mはこれらの値の間です。本書では通説に従って、約3,800mを採用しました。
• 「陸地の平均の高さ」
  これにも複数説があります。
  875m＝データブックオブ・ザ・ワールド Vol.25, 二宮書店, 2013.
  　　　　※元データは理科年表(1958)の様子。最近の理科年表には載っていない。
  830m＝藤尾伸三, 流体地球科学（講義資料）, 2009.
  840m＝およその値。やはり出典が見当たりませんが、国内外の多くの資料で眼にします。
  　- 沖野郷子, 海洋底ダイナミクス2012資料（東京大学大気海洋研究所）
  　- 地球最後のフロンティア　深海を探る（東京大学海洋研究所）
  　- 轡田邦夫, 海洋学概論2013資料（東海大学海洋学部）
  　- Seafriends （New Zealand）
  これは海の平均的深さより厄介な問題です。山の高さを決めるには、その山の直下の「海抜ゼロメートル」をどう決めるかで変わってきます。国によって決め方が違う場合があるので、最近の理科年表には載っていないのではないでしょうか？（ご存じの方がおられたら、フォームからお教え下さい）。本書では、これも通説に従って、約840mを採用しました。
• 「地球は水深約2,700ｍの海の星」
  なんと、これにも「2,400m」説と「2,700m」説があります。しかしこれは計算により、どちらがもっともらしいかを確かめられます（陸:海=3:7、陸は平均840m、海は平均3800mとする）。
  2,400m説：陸地の高さ・海の深さをすべて平均した時に得られる平均高度。すなわち、
  　　840*0.3+(-3800)*0.7=-2408(m)
  　　ただし、この値は水の有無とは関係ありません（海に水がなくてもこの値になります）。
  2,700m説：すべての海水が、まっ平らな地球上に注がれた場合の平均水深。すなわち、
  　　(-3800)*0.7=-2660(m)
  なので、陸と海を真っ平にした場合の平均水深は2,700mが正しいです。
  しかし、2,400mとしている資料が散見されます（ややこしいから、間違えがちです）。
  　- おしえて！海のこと、地球のこと（海洋研究開発機構）
  　- 海のテキスト 第一部 海を知ろう（東海大学海洋学部海洋科学科）
  　- 海の平均の深さはどれくらいなの（学研教育情報資料センター）
  参考：
  Interdisciplinary Oceanography (Chap2. The Water Planet) Texas A&M University
  http://geoclasses.tamu.edu/ocean/biggs/401/previous/fall2011summaries/5sep11.html
• 「マグマオーシャンの温度は1000度以上」
  1500K＝摂氏約1200度だったようです。原始大気にはかなり大量の水蒸気が含まれていて、この温室効果でマグマオーシャンが誕生します。
  →地球の誕生：マグマオーシャンの形成 （理科ねっとわーく）
  http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0150a/contents/2420_k.html
• 「最も古い堆積岩は38-39億年前」
  38億年前＝グリーンランドで見つかっています。
  →掛川武, グリーンランド・イスア地域の岩石に刻まれた初期地球の姿, 地質ニュース, 596, 60-65, 2004.
  https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/04_04_09.pdf
  39億年前＝カナダ北東部で見つかりました（2013年5月）
  39億6千万年だったので、四捨五入すると40億年でしたね。　(^^;)
  →世界最古の堆積岩発見　東大准教授ら、カナダで　生命誕生の痕跡に期待
  http://sankei.jp.msn.com/science/news/130504/scn13050408100000-n1.htm
• 「35億年前のバクテリアの化石」
  →最古の化石とストロマトライト（山形大学理学部 希ガス・放射年代学研究室）
  http://ksgeo.kj.yamagata-u.ac.jp/~kazsan/yungr/index-j.html
  （追記：さらに古い生物の痕跡が38億年前の堆積物中で見つかったそうです）
  →世界最古の生命の痕跡発見
  http://scienceportal.jp/news/daily/1312/1312091.html
• なお海の誕生については諸説あります（下記）。
  玄田英典・生駒大洋, 地球の海の起源 ～現状整理とD/Hの初期進化～, 日本惑星科学会誌, 17, 238-243, 2008.

2. 地球に海ができた奇跡

• 「月のクレーターの影の部分にはちょこっとだけ氷がある」
  NASAは月の南極付近にあるクレーター「カベウス」にはある、と主張しています。NASAは同じく南極のシャックルトンクレーターにもあると主張しているようですが、JAXAは「水氷はない」と対決姿勢です。まだまだ調査が必要そうです。
  →月のクレーターに氷を確認、NASA
  http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2663575/4907399
  →月周回衛星「かぐや（SELENE）」搭載の地形カメラによる南極シャックルトンクレータ内の永久影領域の水氷存在に関する論文のサイエンスへの掲載について（JAXA）
  http://www.jaxa.jp/press/2008/10/20081024_kaguya_j.html
• 「天文学者は、月の黒っぽく見える部分を海と名づけた」
  名付けたのはヨハネス・ケプラーとガリレオ・ガリレイだと言われています。出版物に「月の海」のことを書き記したのは、ケプラーのほうが先立ったようです。しかし、ケプラーは最初、白っぽく見えるところが海で、黒っぽく見えるところが陸だと考えていました。のちにガリレオの意見に従い、黒い部分を海と考えるようになったそうです。
  →Whitaker, E. A., Mapping and Naming the Moon: A History of Lunar Cartography and Nomenclature, Cambridge University Press, 64 pp., 2003.
  (Google Book)
• 「火星は約35億年前、巨大な海に覆われていた」
  これに関する資料はたくさんありますが、代表的な例を下記に記します。ただし火星の海が何故なくなってしまったかはよく分かっておらず、火星のマントルに取り込まれたのではないかという説もあります。
  →火星表面の3分の1は海に覆われていた、研究
  
  →火星に海があった有力な証拠
  http://www.astroarts.co.jp/news/2012/02/08martian_ocean/index-j.shtml
  →昔、火星に海があったのですか？（国立科学博物館）
  http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/mars/mars03.html
  →火星内部に大量の水、火山噴火で地表へ
  http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120627001
• 「金星に海がない理由」
  地球より太陽に近い金星。その微妙な距離の差で海は出来なかったようですが、詳しい理由は良くわかっていません。下記に、X線によって水が分解されたのではないかという説や、地球型惑星の辿る運命をシミュレーションした成果を紹介しておきます。
  →金星にかつて海は存在したか
  http://www.astroarts.co.jp/news/2010/06/30venus/index-j.shtml
  →地球と金星は異なるタイプの惑星か？ 地球型惑星の２つの進化類型を解明（東大）
  http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2013/26.html
• 「ハビタブルゾーン」
  以下に詳しいです（日経サイエンス2002年3月号）
  →過酷な宇宙で生き残れる場所は
  http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0203/chz.html?PHPSESSID=9eed6dc872e154e91c46e62bccf1d055

3. 地球以外の太陽系の星に海はないの？

• 「エウロパには氷の下に水が大量にある」
  NASA木星探査機「ガリレオ」が得た画像や磁力計データの解析結果に基づいています。特に磁力計は木星からの強い磁場がエウロパを貫く様子を捉えていて、その様子から電気を通す物質（水）が衛星スケールで存在することが解明されています。
  →エウロパの海は生命に適している？　地球の氷河をモデルに新たな成果
  http://www.astroarts.co.jp/news/2011/11/18europa/index-j.shtml
  →Kivelson, M.G., Khurana, K.K., Russell, C.T., Volwerk, M., Walker, R.J.,
  Zimmer, C., Galileo magnetometer measurements: a stronger
  case for a subsurface ocean at Europa. Science 289, 1340-1343, 2000.
  http://www.sciencemag.org/content/289/5483/1340.short
• 「無人探査機がタイタンに着陸。そこは少し濡れて泥のようだった」
  これは土星探査機「カッシーニ」に搭載されたタイタン着陸機「ホイヘンス」により明らかになりました。ホイヘンスはタイタンへ向けて降下。空中から地上を撮影し、ついにタイタンの地表に着地。このとき、地面へ突き刺さしたセンサーと、ホイヘンスそのものの加速度センサーのデータから、比較的柔らかい地表に着地したことが分かりました。ただ、そこは極低温（-180℃）ですので、水ではなく液体メタンを含んだ泥だと考えられています。
  →ホイヘンスが垣間見たタイタン
  
• 「エンケラドスの間欠泉」
  これも土星探査機「カッシーニ」による成果です。凄いですね！
  →エンケラドスの間欠泉、カッシーニ撮影
  http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2013050801
  →エンケラドスから吹き出す水蒸気流
  http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2012031602

4. 風が波を作り出す

• 「海の波には2種類ある」
  このお話、元々は私のブログ（http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2007-08-19）に頂いた質問でした。その補足をJAMSTECの市川洋氏から頂いております。
  →「どうして海の波はたつのか」の補足（ブログ「海洋学研究者の日常」）
  http://blogs.dion.ne.jp/hiroichiblg/archives/6105904.html
• 「ウサギが跳ねる」
  これくらいの様子を指します。（ブログ「a lot of...」より）
  
  

5. なぜ人は船酔いになるのか

• 「船が6秒に1回揺れると多くの人が吐気を感じる」
  下記の論文を参照しました。周期5-6秒付近で酔いを感じる割合が高いそうです。
  →松本亙平・藤井 智弘, 乗り物酔いの実用的評価法, 近畿大学生物理工学部紀要 12, 37-47, 2003.
  http://ci.nii.ac.jp/naid/110006423431
• 「三半規管は周期6秒の揺れをもっとも感知できる」
  下記資料によれば、三半規管は1rad/sec＝約6秒周期でもっとも正しく揺れを感知できるそうです。 0.1rad/sec～10rad/secでは揺れの振幅は正常に感じられますが、揺れの位相（山や谷）は狂うらしい。周期にすると60秒～0.6秒ですが、これくらいの長周期や短周期になると、三半規管が揺れについていけないようです。ちなみに、「グルグルバット」をやって、回転を突然止めると、なぜか逆方向に回転しているように感じるのはこのためだそうな。
  →後藤昇弘, 飛行のシミュレーションと人間, ISASニュース, No. 191, 1997
  http://www.isas.ac.jp/ISASnews/No.191/ken-kyu.html
  
• 「小型の客船が周期6秒くらいで揺れやすい」
  下記の資料1を参考にしました。「復元力の算出法」にある、常用近似式
  　ここでT: 揺れの周期（秒）、B：船幅(m)。復元力GM=0.04Bと仮定。
  に従うと、船の揺れの周期は、復元力と船の幅で決まります（まるで振り子ですね）。上式によれば、船幅2.3mの場合に周期は約6秒になります。これは3トン程度の釣り船に該当します（下記2）。しかしGM=0.092はどうも小さすぎるようです（下記資料1では「20トン未満の小型船では…GM=1m」とある）。
  では別の計算方法で。下記資料1には「船幅の8割が横揺れ周期の秒数」ともあります。この場合、船幅7.5mで周期6秒程度です。しかしこれだと200トン弱の小型客船に相当するので、「20トン未満」に当てはまりません（下記3）。困った。
  要するに「GM＝0.1～1」の中間の船でないといけないようです。GM=0.5とすると、上式から、船幅5.3mで周期6秒程度です。これだと60トンくらいです（下記4）。つまり、観光地にある小型の遊覧船が、ちょうど周期6秒くらいで揺れるのではないかと思います。でも私は船舶工学は素人、間違ってたらゴメンナサイ。
  →1) 船の復元力（豆知識）：船はどうして波で傾いても元に戻るのでしょうか？
  http://www.nexyzbb.ne.jp/~j_sunami76/fukugen.html
  →2) 清風丸（幅2.3m、3トン）
  http://www.tsurisoku.com/modules/funayado/index.php?lid=1000
  →3) 南星丸（幅7.5m、175トン）（かごしまのふね > 練習・取締船）
  http://www.wakanatsu.com/kagoship/rensyu.html
  →4) おおすみ（幅5.3m、63トン）（かごしまのふね > 練習・取締船）
  http://www.wakanatsu.com/kagoship/rensyu.html
• 追記：下記でも船酔いしやすい周期は6秒と紹介されていました。
  船酔いの有力容疑者は周期約6秒のピッチング（日本船主協会）
  http://www.jsanet.or.jp/seminar/text/seminar_231.html
  船酔いについて（今治海上保安部）
  http://www.kaiho.mlit.go.jp/06kanku/imabari/a_introduction/uminozatugaku/zatsugaku/2008/200818.htm

6. 海は青色なの？

• 「あなたが赤いリンゴを手に持っている」
  色とは何か、については以下のサイトに詳しいです。
  →赤いリンゴはどうして赤く見えるの？（光と色の１００不思議－光と色の話）
  http://homepage1.nifty.com/kuwajima/lac100/explanation/20010910.html
• 「水の層が厚くなってはじめて青色に見える」
  以下の実験（下記資料1）が分かりやすいです。赤っぽい光（600-700nm）は青や緑色の光（500nm）よりも水に吸収されます。一方、重水（重水素を酸素からなる）では、そのような性質はありません。この水と重水をそれぞれ長さ3mのホースに入れて覗いてみると、水は青っぽく見えますが、重水は透明のままです。また下記資料2～4も参考になります。
  →1）Braun, C. L., and S. N. Smirnov, WHY IS WATER BLUE?, J. Chem. Edu., 70 (8), 612, 1993.
  http://www.dartmouth.edu/~etrnsfer/water.htm
  
  →2) 釣りの科学技術対話 第 5章－海の太陽光吸収スペクトル
  http://www.tzwrd.co.jp/fish/fish6.pdf
  →3) 海が青く見えるのはなぜですか？（キリヤ化学株式会社）
  http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q41.html
  →4) 空はどうして青く、夕焼けはどうして赤いのですか？（キリヤ化学株式会社）
  http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q25.html

7. 海が青いので深海魚は赤い

• 「キンメダイやカサゴ」
  どちらも茹でなくても赤い魚です。下記は、ブログ「魚もいいもんですよ―大阪市中央卸売市場本場・細井商店」より。どちらがキンメダイでどちらがカサゴでしょう(^^) ？
  　　
• 「赤い深海魚たちは、餌としてエビやカニを食べている」
  水族館で長く飼うと、赤色があせてくることもあるそうです。ただ深海魚の体色についての研究は、まだ不十分とのこと。また、深海魚の眼は特殊なので、赤色の深海魚が、魚達の間では本当は何色に見えているかも不明とのこと。
  →エビスダイはなぜ赤い？（東海大学海のはくぶつかん：Vol.33 No.5）
  http://www.muse-tokai.jp/publish/umihaku/2003/v33n5p4.html
• ちなみにイカは胴体の上側は黒っぽく、下側は白っぽいらしい。自分より上を泳ぐ魚からは、黒っぽい体のほうが見つかりにくく、下を泳ぐ魚からは白っぽい体のほうが見つかりにくいからだろう、と言われています。いまは深海で暮らしているダイオウイカも同じような色の特徴を持っているので、かつて（そう遠くない時代）ダイオウイカも海の浅い所で暮らしていたのではないか？と言われているそうです。以上は下記より。
  
  

  ドキュメント 深海の超巨大イカを追え! (光文社新書)

  • 作者: NHKスペシャル深海プロジェクト取材班
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/07/06
  • メディア: 新書

8. どうして海の水はしょっぱいの？

• 「海水にはどれくらいの塩が溶けているのか？」
  下記のように計算しました。
  海の体積（理科年表2006より） = 1.35*10^9(km³)　（←参考資料1）
  ちなみに海水を集めて球にしたときの半径は
  (3/4/ 円周率*1.35*10^9)^(1/3) = 685.617 (km)　（←参考資料2）
  まず塩の重さを計算。
  海水の密度は1028kg/m3
  塩は3.5% ＝ 1リットル（約1kg）中に35g　（←参考資料3）
  海の体積（km³→ｍ³） = 1.35*10^9*(10^9) = 1.35*10^18 （m³）
  塩の重さ = 上式答え *1.028* 3.5/100*1000 = 4.8573*10^19 （kg)　←10^16で京
  富士山で割ってみる = 上式答え /(2.9*10^15) = 16749.310　（←参考資料4）
  最後に塩を瓶詰めするときの、瓶のサイズを計算。
  塩小さじ１杯 = 6ｇ = 5ccなので
  塩の体積 = 1.35*10^9 *1.028* 3.5/100 /6*5 = 40477500 （km³）
  便の高さを900kmとすると、sqrt(上式答え/900/円周率) = 119.649(km)
  つまり、直径250km、高さ900kmくらいの瓶に入る（はず）。ちなみに瓶に入れずに地球表面（陸にも海にも）に敷き詰めると高さは80m以上になる（陸地だけだと115m！）
  2700/(1.35*10^9)*40477500 = 80.955
  →1) 海の自然のなるほど 「海の水の量」（日本海事広報協会）
  http://www.kaijipr.or.jp/mamejiten/shizen/shizen_7.html
  →2) Global water and air volume
  http://www.sciencephoto.com/media/159214/view
  →3) 海水に含まれる塩の量
  http://www3.ocn.ne.jp/~kmitoh/zaturoku/sio/sio.html
  →4) http://ja.wikipedia.org/wiki/質量の比較
  
• 「地球に味付け。塩の瓶のサイズはこれくらい」
  原図はこちら。ちゃんと計算して描いたよ。画像はMS Officeクリップアートを利用。
  
  
• 「塩辛い海の誕生」
  角皆静男氏の説に従いました（下記1～3）。また同様の解説もありました（下記4）
  →1) 海水に塩が溶けている理由（角皆静男）
  http://members3.jcom.home.ne.jp/mag-hu/Tsunogai/10Shitugi/29UmiEn.htm
  →2) 原始海洋は塩酸の海だったか（角皆静男）
  http://members3.jcom.home.ne.jp/mag-hu/Tsunogai/04D-Kyoiku/13TextMiss.htm
  →3) 海水の塩分１（角皆静男）
  http://members3.jcom.home.ne.jp/mag-hu/Tsunogai/10Shitugi/13Enbun1.htm
  →4） 海の水はどうしてしょっぱいの？（科学のつまみ食い）
  http://www.kagaku.info/faq/sea991108/index.htm

9. 海にはどれくらい多く生き物がいるのか？

• 「いったい何種類くらいか」
  下記資料を参考に致しました。
  →日本近海は生物多様性のホットスポット～全海洋生物種数の14.6％が分布～
  ※これだと日本の周りには3万種。未確認と合わせると15万種くらいになるそうだ。
  http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20100803/
  http://www.jamstec.go.jp/jcoml/c1about.html
  →海の生物は１００万種超　サメやマグロは９割減少（47NEWS）
  ※分かっているだけで約25万種、未発見のものを含めると100万種？
  http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100401000920.html
  →海の生物のなるほど 「海に住む生物の種類」（日本海事広報協会）
  ※これによれば1,000万種類以上。地球上の全生物の9割は海（重さ換算）。
  http://www.kaijipr.or.jp/mamejiten/seibutsu/seibutsu_1.html
  →海より陸上で種多様性が高い理由（ブログ「むしのみち」）
  http://d.hatena.ne.jp/naturalist2008/20100326/1269554540
  →地球上には何種類の生物が生息しているのか？（ブログ「むしのみち」）
  http://d.hatena.ne.jp/naturalist2008/20090414/1239679875
  →図録▽世界の海域別の生物多様性（社会実情データ図録）
  http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4177.html
• 「ウナギ」
  以下のサイトを参考に致しました。塚本勝巳氏らのグループの研究成果です。
  →塚本勝巳, ウナギ：大回遊の謎（独立行政法人水産総合研究センター成果発表会）
  http://www.fra.affrc.go.jp/kseika/150828seika/seika1.pdf
  →ウナギの回遊生態は 解明されたか? （東京大学 淡青, vol.18,　2006年）
  http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/tansei_j.html
  http://www.u-tokyo.ac.jp/gen03/pdf/tansei18_s1.pdf
  →Oceanic spawning ecology of freshwater eels in the western North Pacific（西部北太平洋におけるウナギの産卵生態）, Nature Communications 2 : 179 doi: 10.1038/ncomms1174, 2011.
  http://www.natureasia.com/ja-jp/ncomms/abstracts/35014
  →古代ギリシャ時代からの謎だった「ウナギの産卵場所」を突き止めた！（Nature Japan）
  http://www.natureasia.com/ja-jp/jobs/tokushu/detail/242
  

10. 海には謎の生物てんこ盛り

• 「ダイオウイカ」
  以下のサイトを参考に致しました。窪寺恒己氏らのグループの研究成果です。
  →ダイオウイカ ― 深海のミステリー　（国立科学博物館ホットニュース）
  http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/theme.php?id=0001267773454903&p=3
  →小笠原諸島沖で釣獲された「ダイオウイカ」について（記者説明会資料あり）
  http://research.kahaku.go.jp/news/20061225/
  →ダイオウイカの謎（山田稔氏による）
  http://chikyu-to-umi.com/kaito/daiou.htm
  →マッコウと巨大イカ：親子で食事（National Geographic）
  http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009110206
  →マッコウと巨大イカ：小笠原群島（National Geographic）
  http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009110207
  →NHKスペシャル　「深海の巨大生物」
  http://www.nhk.or.jp/ocean/deepsea/
  

11. 海の底は平らなの？

• 「富士山から南の方向へ進んだ時の地形のデコボコ」
  地図ソフト（GMT）と海底地形データを利用して、ちゃんと描いてます（これを元にイラストにしていただいたものが本書に掲載）。ちなみに文中で「南の方向に」と書きましたが、正しくは下図のようにおよそ南南西の方角です。
  　　　
  　　　　　　　　地形断面図の位置（Google Map）
  
  
  地形の断面図。マウスカーソルを上図にあわせれば海水が消えて海底地形が現れます。ちなみに（い）は銭洲（ぜにす）海嶺です。
  　
• 「大阪から真南に進んだ時の地形のデコボコ」
  これも上図と同様にGMTで描きました。
  　　　
  　　　　　　　　地形断面図の位置（Google Map）
  
  
  地形の断面図。マウスカーソルを上図にあわせれば海水が消えて海底地形が現れます。ちなみに（う）は熊野海盆、（え）は南海トラフです。

12. 海底の大山脈と大渓谷

• 「月でしょうか？火星でしょうか？ 」
  これもGMT＋Sandwellらの海底地形データにより作成しました。
  
  
• 「今度は海岸線を描いてみました」
  上図と同じです（色の塗り方などを変えました）
  
  
  おまけ：これも上図と同じ。
  
  　
• 「1870年頃、ヨーロッパとアメリカの間に通信用の海底ケーブルを敷設する準備調査の際にはじめて明らかになりました」
  最初の大西洋横断海底ケーブルは1858年に敷設されています。しかしこの最初の敷設工事中にケーブルは幾度も切れてしまいます。「どうやらこれは海底が予想以上に凸凹しているからではないか？」　こうして海底地形を正しく知る重要性が増していったのです。ちなみに1858年のケーブルはすぐに使えなくなり、1866年に再度敷設されたケーブルも1870年代には使えなくなりました。
• 「大陸プレート」「海洋プレート」「プレートテクトニクス」
  下記などが参考になります。
  →プレートテクトニクス（地震の基礎知識, 札幌管区気象台）
  http://www.jma-net.go.jp/sapporo/knowledge/jikazanknowledge/jikazanknowledge1_1.html
  →プレートテクトニクス（National Geographic）
  http://www.nationalgeographic.co.jp/science/earth/the-dynamic-earth/plate-tectonics-article.html
• 「日本海溝の海底は、日本列島から流れてきた泥で覆われている」
  例えば下記などでもそのような指摘があります。
  →芦寿一郎・岡村行信・倉本真一・徳山英一, 南海トラフとその陸側斜面の地質構造 －付加プリズム・前弧海盆の構造発達－, 地質ニュース, 541, 17-24, 1999.
  https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/99_09_03.pdf
• 「一番古い海底は約2億年前、一番古い陸上の岩石は約43億年前」
  海底は下記資料1,2。磁気異常から推定された海底の最古の年代は1億6千～8千万年前。陸上は下記資料3にある、カナダのノード・デュ・ケベック地域で採取された約42億8000万年前の岩石。
  →1) Structure of the Oceanic Lithosphere, Plate Tectonics and Seafloor Spreading, Seafloor Topography (Oceanography 540, University of Washington).
  http://www2.ocean.washington.edu/oc540/lec01-1/
  →2) Xiqiao Xu, C. Lithgow-Bertelloni, Clinton P. Conrad View Abstract, Global reconstructions of Cenozoic seafloor ages: Implications for bathymetry and sea level, Earth Planet. Sci. Lett., 243, 552-564, 2006.
  http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012821X06000318
  →3) Jonathan O'Neil, et al., Neodymium-142 Evidence for Hadean Mafic Crust
  Science 321, 1828, 2008.
  http://www.sciencemag.org/content/321/5897/1828.short
  ※追記：2014年2月、44億年前の鉱物の微粒子が見つかりました。
  →地球の地殻、44億年以上前に形成か 研究
  http://www.afpbb.com/articles/-/3009189

13. 世界一の山は太平洋にあり？

• 「マウナ・ケア山は、海底から測れば10,000m程の高さの山」
  これについてもGMT＋海底地形データから、ちゃんと図化してみました。
  これをイラスト化頂いたものが本書に掲載されています。
  
• 「マウナ・ケア山は地球最大の巨大火山」
  ちゃんと書くと、周辺の平らな部分（海底）からみたときに、マウナ・ケアが地球上で最も高い山であり、最も高い火山です。一方、体積で世界一大きな火山は、マウナ・ケアの隣のマウナ・ロアです。マウナ・ロアは高さではマウナ・ケアより36m低い（4,169m）ですが、マウナ・ロアからの溶岩などがハワイ島全体の半分を覆っており、火山の体積ではハワイ島で一番です。
  →火山の形状と地形（火山学会）
  http://kazan-g.sakura.ne.jp/J/QA/topic/topic27.html
• 追記：…とおもったら、下記の「タム海山」のほうが大きいそうな。上には上がいます。
  太陽系最大の超巨大火山、日本東方沖に発見（CNN）
  http://www.cnn.co.jp/fringe/35036906.html　　※発表元はNature Geoscience

14. 素潜りでどこまで潜れるか？

• 「素潜りの世界記録」
  これはWikipediaなどを参考にしました。
  →http://ja.wikipedia.org/wiki/フリーダイビング
  →http://en.wikipedia.org/wiki/Free-diving
  →人間はどこまで潜れるの？（asahi.com）
  http://www.asahi.com/edu/nie/tamate/kiji/TKY200802120092.html
• 「日本の有人潜水調査船”しんかい6500”」
  下記が参考になります。パイロットの方々のインタビューなどもあります。
  →http://www.jamstec.go.jp/shinkai6500/
• 「中国の有人潜水調査船”蛟竜”」
  →有人潜水調査船の７千メートル潜水に成功　中国　世界９９％で活動可能に　
  http://www.47news.jp/47topics/e/230813.php
  　※上記47NEWSより
  →中国科技网特設サイト
  http://www.stdaily.com/special/node_11368.htm

15. 海はどんだけ深いのか？

• 「まさかいちいち、メジャーで測定してたりして…」
  下記を参考にしました。
  →レッド測深からマルチビーム測深まで（東陽テクニカ）
  http://www.toyo.co.jp/kaiyo/BathHist.htm
  →SeaBatサンプルデータ
  
  →海洋底の特徴（横瀬久芳, 海洋の科学講義資料, 熊本大学）
  http://yrg.sci.kumamoto-u.ac.jp/lecture/presen/2011b1_10.pdf
  
• 「超音波は水中での速さは毎秒約1,500mであることは19世紀には判明」
  下記を参考にしました。
  →海洋の音速構造と音速の算出式（土屋利雄氏）
  http://www.tsuchiya2.org/soundspeed/speed_kaisetsu/index.htm

16. 世界一深い海に潜った男達

• 「”チャレンジャー8世号”が測ったマリアナ海溝の深さは約10,900 m（1951年）」
  正確には10,863mでした。下記資料より。
  →世界で一番深い海（海上保安庁海洋情報部）
  http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/SODAN/faq/deepest_sea.html
• 「世界中の海で一番深い場所はチャレンジャー海淵で、水深10,920m±10m」
  →世界で一番深い海（海上保安庁海洋情報部）
  http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/SODAN/faq/deepest_sea.html
• 「2010年にはアメリカの調査船がさらに深い10,994mを弾きだした」
  まず2009年、アメリカの調査船「キロ・モアナ」が10,971mという測深結果を出しました。続いて2010年、アメリカの測量船が10,994mという測深結果を出しています。
  →R/V KILO MOANA Daily Reports(Non Report June 01, 2009)
  http://www.soest.hawaii.edu/UMC/cms/ship-daily-reports/
  →Oceans' deepest depth re-measured
  http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-15845550
• 「二人乗りの潜水艇”トリエステ号”でマリアナ海溝最深部に挑んだ」
  →海の底にロマンを求めたトリエステ号
  http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0901/18/news001.html
• 「映画監督ジェームズ・キャメロン氏が、潜水艇に乗り込んで、チャレンジャー海淵に到達」
  下記を参考にしました。
  →「映画とは違う」Jキャメロンの潜水艇
  http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2012030902
  →確実に浮上、Jキャメロンの潜水艇
  http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2012030903
  →ジェームズ・キャメロン監督と水深1万898メートルの深海底の動画公開！
  http://nationalgeographic.jp/nng/article/20120328/303687/
• 「”しんかい11000”を作る！という話は長い間ありませんでしたが」
  JAMSTECの長期計画では、「斬新な科学的発想・発見・考察を促すことができる有人潜水船の開発」をするとだけ書かれています（「しんかい11000」とは書かれてはいない）。
  →長期ビジョン～海洋・地球・生命の統合的理解への挑戦～（JAMSTEC）
  http://www.jamstec.go.jp/j/about/vision/
  →めざせ「しんかい11000」　（ブログ「海の研究者」）
  http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2013-01-23

17. 人魚姫や海底人はいる？

• 「センジュナマコ」
  深海に生息するナマコの仲間。水深3000～6500m付近に大量に生息。
  　JAMSTEC無人探査機「かいこう」で撮影
• 「リュウグウノツカイ」
  泳ぐリュウグウノツカイの映像がBBCで紹介されています（2010年）。
  →Giant bizarre deep sea fish filmed in Gulf of Mexico
  http://news.bbc.co.uk/earth/hi/earth_news/newsid_8501000/8501251.stm
• 「オトヒメエビ」
  →Sea creator weblog
  
• 「オトヒメノハナガサ」」
  →乙姫様のおとしもの！？ 「オトヒメノハナガサの仲間」飼育展示に成功
  http://oki-churaumi.jp/info/news/archives/694
  →深海ギャラリー（JAMSTEC）
  
• 「人間の祖先は、海の浅瀬で暮らしていた？」
  ”水生類人猿説”だそうです。”人類 進化 アクア説”で検索するとヒットします。ただし、いわゆるトンデモ進化論の一つのようです。