ベレ出版「地底の科学」特集サイト

補足資料(その2)
注:” ”は引用部分。また注釈のない図は本書中に掲載されたもの(カラー版)。

100mの地下-いろいろな地下資源

  アメリカのラスベガス、カジノで有名なこの街も水不足

● ラスベガスの水事情(H.I.S. ラスベガス支店便り:2010年3月)
 https://blog.his-j.com/lasvegas/2010/03/10486380030.html
 ”ラスベガスでは水がとても重要なので水を無駄にしないよう色々な規制が設けられている”

そこで長大なパイプライン計画が持ち上がっています。
(パイプラインの長さは約500km、ラスベガスから水源地までの距離は約400km)
● US water pipelines: three proposals
 http://www.theguardian.com/environment/interactive/2012/mar/22/us-water-pipelines-three-proposals
 ※アメリカのパイプライン案の地図。Las Vegasをクリック。

しかしもめてます。
● Nevada Supreme Court tosses Las Vegas claims to rural water(2010年1月)
 http://www.lasvegassun.com/news/2010/jan/28/nevada-supreme-court-tosses-out-las-vegas-claims-r/
 ”ネバダ州最高裁判所は、2007年に裁判所が認めた(パイプラインに関する)権利を無効とした”
     ↓
● Las Vegas bets on desert water pipeline as Nevada drinks itself dry(2012年3月)
 http://www.theguardian.com/environment/2012/mar/22/las-vegas-desert-water-pipeline-nevada
 ”州の技術主任はパイプライン計画をすすめることとなった”
     ↓
Weathering Change: Las Vegas Pipeline May Threaten West Desert's Scarce Water(2013年3月)
 ”パイプラインは環境破壊を引き起こす。地元政府はパイプラインの同意書にはサインしない予定”
     ↓
Judge says Las Vegas water pipeline decision will take some time(2013年6月)
 ”裁判の結果、年末までラスベガスはパイプライン計画の行方を待つこととなった”
     ↓
 To be continued ...

  世界の人口は2011 年時点で約70 億人、2025 年には80 億人を突破する模様

国連 World Population Prospect: The 2012 Revisionより
http://www.un.org/en/development/desa/population/

  2025年には18億人は水不足の状態に。水不足の地域は世界各地に。

● 人口増で、水不足さらに深刻に(朝日新聞グローブ :memo01)
 http://globe.asahi.com/feature/090525/memo/01.html
● 国際水管理研究所(IWMI)と水土の研究(日本水土総合研究所)
 http://www.jiid.or.jp/files/04public/02ardec/ardec38/iwmi.htm
 ”2025年に水の状況がどうなっているかをシミュレーションした”

  水をめぐる国際紛争

● 世界の水資源と食料生産への影響:農林水産省国際食料問題研究会第7回資料(平成19年7月)
 ※リンク切れ
● メコン川流域国、干ばつ拡大で中国当局を糾弾
 http://www.epochtimes.jp/jp/2010/04/html/d43361.html

  地表は通常、土壌層や堆積物層に覆われている。

「土壌」とはなんでしょうか?(下記)
● 土壌の基礎知識(農林水産省:生産)
 http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/ntuti4.pdf



帯水層の探査の例(下記の図を改変)
● 島裕雅・神谷英樹・梶間和彦(編), 比抵抗映像法―建設・防災・環境のための新しい電気探査法,
 古今書院, 206 pp., 1995. (p.155 図)

  ブルキナファソで、地下ダムの建設候補地での電気探査を実施

● 砂漠化防止対策モデル事業 地下ダム技術報告書(平成15 年度環境省委託事業)
 www.env.go.jp/earth/report/h16-08/jpn/PDF/full_j.pdf
● ブルキナファソ国の地下ダム開発(農研機構)
 www.naro.affrc.go.jp/nkk/mail_magazine/files/mm11_07-01.pdf
 "肝心の揚水施設は、太陽光パネルが盗まれたため稼働していませんでした"

  宮古島には地下ダムが2つある。

● 地下ダムとは?(内閣府沖縄総合事務局)
 http://www.ogb.go.jp/o/nousui/nns/c2/page1-1.htm
● 日本一の宮古地下ダム(内閣府沖縄総合事務局)
 http://www.ogb.go.jp/o/nousui/nns/totikairyou/p7.htm

  国際宇宙ステーションでは、水は再生装置でリサイクル

● 第四話「宇宙ステーションはミニ地球」(JAXAクラブ)
 http://www.jaxaclub.jp/special/iss_life/iss_04.html
● 水、空気、ゴミのリサイクル(JAXA)
 http://www.jaxa.jp/article/special/eco/oguchi_j.html

  世界の水の利用方法:7割は農業用水

● 世界の水の7割は農業用に利用(世界の 水資源の動き:ニッスイ)
 http://www.nissui.co.jp/academy/data/06/02.html
●水資源に関する国際的な取り組み(日本の水資源、国土交通省)
 http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/H20/3-12.pdf
 http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/index5.html

  日本人が水不足を感じにくい理由のひとつは、食料の自給率の低さにある。

● 水資源に関する日本の課題,世界の課題(平成16年版 日本の水資源:国土交通省)
 http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/h16/1.pdf
 ※図I-1-12 世界の国別及び日本の地域別一人当たり水資源賦存量
  日本の一人当たりの水資源賦存量=(降水量-蒸発量)×面積÷人口は世界156カ国中91位。
  これはアメリカの1/3程度の量。関東地方はエジプトとほぼ同等の量である。
● 水資源(山賀 進氏のホームページ)
 http://www.s-yamaga.jp/kankyo/kankyo-shigen-2.htm
 ”日本は、食糧自給率が約40%でしかない。これは農地を外国に持っている、
 つまり農業用水は外国のものを使っているということを考えなくてはならない。”
● 世界の水紛争と日本(宮崎浩之、市民研 どよう便り)
 http://www.csij.org/01/archives/watersoil_003.pdf
 http://archives.shiminkagaku.org/archives/2004/09/post-136.html

  イランの地下用水路「カナート」は約2700年経過した現在でも利用されている。

● 砂漠で水を作る魔法の水利技術「カナート」(建設コンサルタンツ協会)
 http://www.jcca.or.jp/kaishi/255/255_doboku.pdf
 ”カナートの規模はさまざまで、長いものは全長50~70kmにおよび、竪坑は最深部で300mに達するものもある”
● カナートがなぜイラン高原で生まれたのか?(るいネット)
 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=246800

 ローマ街道のひとつ、フラミニア街道の約2000年前に作られたトンネル

● Furlo along the Via Flaminia(The Life of H. Ernest Chen)
 http://echensf.blogspot.jp/2011/05/furlo-along-via-flaminia.html
 (紀元後76年に完成、現在も使われている)

  スペイン「ラス・メドゥラス」は世界遺産に指定されたトンネル

● 2000年前に作られた人工景観「ラス・メドゥラス」を見に行った(デイリーポータルZ)
 http://portal.nifty.com/kiji/120914157401_1.htm
● Hydraulic mining
 http://en.wikipedia.org/wiki/Hydraulic_mining

  スイスのゴッタルド基底トンネルがまもなく世界一に

● The Longest Tunnel in the World is Almost Complete - Gotthard Tunnel!
 ※リンク切れ
 ”長さ57km、最深部は地下800m
●World's longest tunnel opens deep beneath Swiss Alps
 https://edition.cnn.com/2016/06/01/europe/switzerland-longest-tunnel-gotthard/index.html

※下図は国内のトンネル。建設時の地下探査の例。

● 土木研究所防災地質チーム, 地質調査における電気探査の活用, 寒地土木研究所月報, 651, 51-54, 2007.
● 鈴木哲也・疋田貞良・横山博之・宍戸政仁, 安山岩地山における各種物理探査結果の比較,
 トンネル工学研究論文・報告集, 9, 9-14, 1999.

  上越新幹線の中山トンネル、掘削中に湧き水が突如発生

● 史上最悪の山(上越新幹線:第五章 中山トンネル)(TreasureReports)
 http://technotreasure.info/Cool1/page024.html
また山岳トンネルについては下記資料が充実しています。岩石の間隙率と比抵抗の関係も紹介。
● 山岳トンネルの地質調査(地質と土木をつなぐの“貯蔵庫” )
 http://mishi.weblike.jp/tunres0.html

  電磁探査=電磁誘導を利用して地下を探査方法

詳しくは下記を参照下さい。
● 後藤忠徳・三ケ田均, 電磁気法探査(EM法探査)技術の現状と展望
 -地震探査との統合型解析に向けて-, 地学雑誌, 117, 997-1010, 2008
● 物理探査ハンドブック(物理探査学会編) http://www.segj.org/publication/handbook.htm
● 西谷忠師・筒井智樹・坂中伸也, キミもトライだ物理探査, 技報堂出版, 219pp., 2007.




※後藤・三ケ田(2008)の図を改変

  探査装置ごと空を飛びながら地下を探査することだってできる。

最近盛んに実施されています。
空中電磁法による地質調査(大日本コンサルタント株式会社)
● 空中物理探査(応用地質株式会社)
 https://www.oyo.co.jp/technology_list/airborne-geophysical-survey/
● 新しい空中物理探査技術の紹介 (応用地質株式会社)
 https://www.web-gis.jp/e-Forum/2006/017.pdf
● 総合空中探査システム(NETIS ホームページ)
 http://www.netisplus.net/NETISPLUSDB/NETISPLUSDB/detail?TECHID=122993#de002_004
 https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/2011_01_08.pdf


● Ito, H.,H. Kaieda, T. Mogi, A. Jomori and Y. Yuuki, Grounded electrical-source airborne transient
 electromagnetics (GREATEM) survey of Aso Volcano, Japan, Exploration Geophysics,
 http://dx.doi.org/10.1071/EG12074, 2013.
 http://www.publish.csiro.au/paper/EG12074.htm
(modified from Ito et al., 2013)

  日本は宝の山だった

佐渡の金山、別子の銅山、秋田の黒鉱鉱床などが近代日本の発展を支えてきました。
● 「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」暫定一覧表骨子(案)(文化庁)
 http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/bunkazai/sekaitokubetsu/20/pdf/shiryo_5.pdf
● 佐渡金銀山を世界遺産に(新潟県 佐渡市)
 http://www.city.sado.niigata.jp/mine/
 ”1989年の採掘休止までに、78トンの金と2,300トンの銀を産出しました。”
● マイントピア別子
 http://besshi.com/
● 新居浜・別子銅山
 http://www.geocities.jp/yasuway/besshi02.html
● 大館地方の鉱山と黒鉱(大館市)
 http://www.city.odate.akita.jp/dcity/sitemanager.nsf/doc/kuroko.html
●鉱山の道具・鉱石(大館市)
 http://odate-city.jp/museum/virtual/1f/ore
● 2011年度 資源地質学会若手会 秋季巡検に参加して(東北大学大学院理学研究科)
 http://www.sci.tohoku.ac.jp/mediaoffice/2011/11/2011.html

  鹿児島県の菱刈鉱山:1トンあたりに含まれる金の量(40 ~ 50g)は世界一

まず地殻の中には、金は平均して数mgしか含まれていません。
● 地殻中の元素の存在度(Wikipedia

菱刈鉱山の発見については下記に詳しいです。
● 岡田和也, 菱刈鉱山の開発および現況, 地質ニュース, 601, 16-27, 2004.
 - 1981年の鉱床発見は近代的な探査技術を駆使した科学的探鉱の成果(重力探査, 電気探査など)
 - ”極めて大胆に推定すれば,金量120t,平均品位80g/t”
● 植野泰治, 菱刈鉱山の効率的開発・操業, 資源と素材, 109, 8, 575-580, 1993.
 - 1985年7月から出鉱を開始、1993年3月末までの累計出鉱金量は約50t、平均金品位は約48g/t。
 - 金の総量は約250t(1993年当時の推定)
● 菱田 元・武田哲一, 北薩地域の金鉱床探査における物理探査結果とその解釈, 地質ニュース, 601, 56-63, 2004.
 - 空中電磁探査が1978年度に実施され、鉱床の上で30Ωmの低比抵抗を抽出(粘土化変質帯に起因)
 - ”これが菱刈鉱山本鉱床の発見につながるボーリングの位置選定理由の一つとなった。”
    ↓
菱刈鉱山では、掘れば掘るほど金が出てきているようです。1993年当時は金の総量は250t(推定)でしたが、
下記によれば約380t(これまでの出鉱金量は約200t+埋蔵量が約180t)です。
● 鹿児島に時価1300億円の金鉱床発見 住友鉱 (日経:2012/10/9)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD09098_Z01C12A0TJ2000/

http://www.smm.co.jp/corp_info/domestic/hishikari/kyoten.html 拠点紹介:菱刈鉱山(住友金属鉱山)

  経済成長が著しい中国などで金属資源の需要が高まっている。

● JOGMECカレント・トピックス(平成25年1月17日)
 http://mric.jogmec.go.jp/reports/current/20130117/1259/
 「図4 世界の金属消費量推移」「図5 世界の金属消費見込み」を参照
 (銅の消費量:1996 年から2012年で1.6倍、2020年頃には2倍以上の予想)
 (アルミニウムの消費量:1996 年から2012年で2.2倍、2020年頃には3倍以上の予想)
● 非鉄金属の需給動向とその背景(外務省:平成20年7月)
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/commodity/pdfs/shiryo_03.pdf
 ”中国の金属消費量は、2001~07 年の 6 年間で銅が 2.1 倍(中略)アルミニウムは 3.5 倍(中略)と急増した ”
● 非鉄金属の需給(世界経済のネタ帳 )
 http://ecodb.net/pcp/imf_group_metal.html
 ”2007年のニッケルにおいては02年に比べ5倍以上となりました”

  金属の価格が上がれば、閉山となった鉱山でも採掘がされるようになる。

落盤事故をおこした南米チリの鉱山は一時期閉山されていました。
同様の「無理」が世界中の鉱山で起きているようです。
● EDITORIAL: Lessons from Chile (The Asahi Shimbun, 2010/10/15)

  地下の比抵抗の分布から鉱床を見つけることが可能

下記はその一例です。深さ100m 以上の地下に見られる低比抵抗層が鉱床に相当します。
● 荒井英一, 片山弘行, 野尻冴子, 高温超伝導磁気センサーを用いた電磁探査技術による鉱床探査,
 資源地質, 58, 3, 177-190, 2008. 
 

  コーラは凍らない。

メタンハイドレートとはなにか?の説明として、コーラは凍らない話をしました。


  メタンハイドレートは寒い地域にある天然ガスのパイプラインの中でもできる

メタンハイドレートが自然環境で初めて発見されたのは天然ガスのパイプラインの中です。
● メタンハイドレート研究の歴史(メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム)
 http://www.mh21japan.gr.jp/mh/08-2/

  メタンハイドレートの分布域は反射法地震探査で探査可能


海上での反射法地震探査の概念図。

● メタンハイドレート探査と資源量評価(メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム)
 http://www.mh21japan.gr.jp/mh/03-2/
 
 探査成果の一例(上記サイトの図”地震探査記録に見られるBSR”に加筆)

  海底電気探査によるメタンハイドレート探査





実際の海底電気探査の様子(上)と、日本海上越沖での海底電気探査によって得られた、海底下の地下比抵抗構造。
(下記の図を改変)
●後藤忠徳・桜井紀旭・高木亮・笠谷貴史, 海底電磁探査の近年の進歩とメタンハイドレート検出への適用,
 地学雑誌, 118, 935-954, 2009.


日本海海底で採取されたメタンハイドレート(下記サイトより)
● 新潟沖における海底下のメタンハイドレート柱状分布の発見 (JAMSTECプレスリリース)
 -世界初の深海での曳航式海底電気探査手法によるメタンハイドレート分布状況の把握-
 https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/2006/20060220/

ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー  ー

1,000mの地下-地熱・石油・原子力

  どうやったら新たな温泉を探せるのでしょうか?

● 温泉の探し方(株式会社 サクセン)
 http://www.sakusen.co.jp/contents/051_spa_chousa.html
● 地下水・温泉探査、地質構造調査(横井技術士事務所)
 http://www.geo-yokoi.co.jp/Gsurvey/Tikasui.htm
● 温泉の科学(立ち寄り温泉みしゅらん)
 ”温泉ができるためには、1)熱、2)水、3)成分、の3要素が必要”

  有馬温泉の起源は、なんと地下深くのマントルらしい。

有馬温泉は謎の多い温泉だそうです。
● 非常に古い地下水の年代を測る(産総研TODAY, Vol.4, No.11, 2004)
 http://www.aist.go.jp/aist_j/aistinfo/aist_today/aist_today_2004.html
 ”有馬温泉のヘリウム同位体比は上部マントル値に近いことが知られている”

  反射法地震探査では、火山地域の地下の可視化が難しい場合がある。

火山地域の地下は硬いゴツゴツした岩でできているので、音波(地震波)が岩の層であちこちへ弾き散らされてしまい、
地層を綺麗に可視化できない場合があります。喩えれば、音楽室の壁に似ています。
● なぜ吸音が必要か?・・・「吸音」とは?(吉野石膏)
 http://yoshino-gypsum.com/sekkou/why/kyuuon/
 ”吸音材料にはロックウールのような多孔質タイプと孔あき板などの共鳴タイプがあります。”

  地磁気地電流法(MT法)とは?

詳しくは下記を参照下さい。
● 後藤忠徳・三ケ田均, 電磁気法探査(EM法探査)技術の現状と展望
 -地震探査との統合型解析に向けて-, 地学雑誌, 117, 997-1010, 2008
● 物理探査ハンドブック(物理探査学会編)
 http://www.segj.org/publication/handbook.htm
※太陽活動と地磁気変化の関係などについては以下にまとめられています。
● 地磁気世界資料解析センターパンフレット(京都大学)
 http://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/wdc/pdf/pamphlet/wdc_pamp.pdf



 
※上図は 後藤・三ケ田(2008)より。

  九州の霧島火山付近では地熱発電所が稼働、出力は3万kW。

● 第173回 地下の熱を「汲み上げる」、地熱発電の仕組み(TDK テクの雑学)
 http://www.tdk.co.jp/techmag/knowledge/201109u/index2.htm
● 大霧地熱発電所(九州電力)
 http://www.kyuden.co.jp/effort_geothermal_t_ogiri.html
 http://www.kyuden.co.jp/company_pamphlet_book_plant_geothermal_ogiri.html
● 大霧発電所(日鉄鉱業株式会社)
 http://www.nittetsukou.co.jp/geothermal/oogiri.html


 大霧地域の霧島火山 大霧地熱地域の3次元地下構造。南から俯瞰。下記の図を改変。
 Uchida, T., Three-dimensional magnetotelluric investigation in geothermal fields in Japan
  and Indonesia, Proceedings of World Geothermal Congress 2005 (CD), 1-12, 2005.
※より新しい解析結果が下記で紹介されています。
● 内田利弘研究グループ長「ホーマン賞」受賞(産総研)
 https://unit.aist.go.jp/georesenv/explogeo/image/contents/casestudy/2007tenbig_uchida.pdf
● Uchida, T., and Y. Sasaki, Stable 3D inversion of MT data and its application to geothermal exploration,
 Exploration Geophysics, 37, 223-230, 2006
 http://www.publish.csiro.au/paper/EG06223

  日本の温泉の泉源数は約2万8000、地熱エネルギーの資源量は2000万kW以上

● 日本の温泉地データ/泉源数(日本温泉総合研究所)
 http://www.onsen-r.co.jp/data/sengen.html
● 温泉に関するデータ:温泉利用状況(環境省)
 http://www.env.go.jp/nature/onsen/data/
● 資源量と設備容量で見る 世界の地熱発電( JOGMEC地熱資源情報)
 http://geothermal.jogmec.go.jp/information/geothermal/world.html
● 地熱発電に関する研究会(H20年12月1日、経産省)
 http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004561/index01.html
 http://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g81201aj.html
 資料5:矢野雄策(産総研)「地熱発電の開発可能性」
 http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g81201a05j.pdf
 ”我が国における150℃以上の地熱資源量は約2000万kW”
 ”国立公園特別保護地区・特別地域の外に約400万kWのポテンシャル”

  地熱発電所の国内総数は二十ヵ所足らず、水力発電所の数は全国で二千近く

● 全国17ヵ所で発電 日本の地熱発電( JOGMEC地熱資源情報)
 http://geothermal.jogmec.go.jp/geothermal/japan.html
 ”全国の地熱発電所の発電出力を合計すると約515MW、発電電力量は2764GWh(2010年度)”
 ”これで日本の電力需要の約0.3%を賄っています”
     ↓
 http://geothermal.jogmec.go.jp/information/geothermal/japan.html
 "全国の地熱発電所の発電出力を合計すると約52万kw、発電電力量は2,559GWh(2015年度)"
 "これで日本の電力需要の約0.3%を賄っています"
● 水力発電について(資源エネルギー庁)
 http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/hydroelectric/(”データベース”のところをクリック)
 ※全国の包蔵水力(こちら
 ※出力別包蔵水力(こちら
 ”約1,900箇所、約22,000MW”

  地熱開発の弊害(課題)とは?

大きく分けて、1) 自然環境破壊と、2) 既存の温泉地との共存です。それぞれの課題について研究者のみならず国も対策を検討中です。2については、地熱発電の影響が国内の温泉でみられたとする報告はありますが、ちゃんとした(科学的な根拠を伴う)報告例は皆無のようです(もしご存じでしたら、お知らせください)。
● 国立公園で地熱発電、後押し 環境省、設置規制緩和へ
 http://www.asahi.com/eco/news/TKY201202140551.html
 ”候補地の約8割が国立公園内に集中” ”国立・国定公園のなかでも、環境保全が特に必要な第1種特別地域など
 での開発は引き続き認めない。ただしそれ以外の区域では、地域外から地下に掘り進む「斜め掘り」など、景観や
 生態系保護に配慮した技術を使うことを条件に、地熱資源利用を認める。”
● 温泉の保護と利用に関する懇談会(環境省)
 http://www.env.go.jp/nature/onsen/council/
 第2回 地熱資源開発に係る温泉・地下水への影響検討会
 http://www.env.go.jp/nature/onsen/council/chinetu/02.html
 ※資料4:日本秘湯の会による、地熱開発への反論(6つのPDFに及ぶ。ただし科学的根拠は不明瞭)
 ※資料5:海外温泉影響事例(国内では同様の事例は報告されていない)
● 地熱発電所の周辺温泉への影響について(産総研 野田徹郎)(2009.1.30 第2回地熱開発研究会)
 http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g90130b08j.pdf
 
 ※上記資料より抜粋。国内の温泉にはっきりした影響は認められず。
● 地熱発電の環境への影響(小波盛佳)
 http://www.geocities.jp/morikonamia/tinetu.html
 ※この小文は地熱開発の弊害の具体例としてWeb上のあちこちで引用されていますが、その元となる資料
 「中沢跳三氏の論文」がどの学術誌に掲載されたものかは示されていません。私が調べた限りでは原著が
 見当たらず、学術論文ではなさそうです(査読を受けていない個人的なレポートか?)。

  ある山奥の温泉では、入浴剤を足してお湯に色をつけていた

2004年頃、長野県の白骨温泉などで起きた騒動です。
温泉偽装問題(Wikipedia)

  地熱発電にともなう事故も発生

● お天気レター(2001/11/7号)
 http://www.cam.hi-ho.ne.jp/rainyboy/mg/011107.html
 ※10/24、霧島山系の鹿児島県牧園町万膳大霧地区の国有林内で、新エネルギー・産業技術総合開発機構
 (NEDO)が地熱発電調査のために掘った調査用の井戸(深さ2.1キロ)から火山性の有毒ガスが噴出した。
 ※南日本新聞 2001年10月25日にも記事が掲載
● 地熱発電所で蒸気噴出、作業員1人重傷1人不明(2010/10/17)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1701R_X11C10A0CC1000/
 ※宮城県大崎市鳴子温泉鬼首のJパワー(電源開発)鬼首地熱発電所で、地下から水蒸気が爆発的に噴き上げた。

  資源エネルギー庁は2013年に地熱発電開発の補助金制度を開始

● 地熱発電の開発促進に補助金、最高1億8000万円まで
 http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1306/11/news025.html
● 動き始めた地熱発電、全国14か所で大規模な開発計画
 http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1306/19/news015.html

  一次エネルギー、二次エネルギーとは?

一次エネルギー=基本的に自然界に存在するままの形でエネルギー源として利用されているもの
● 国内エネルギー動向:エネルギー需給の概要(エネルギー白書2013, 資源エネルギー庁)
 http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2013html/2-1-1.html
 ※【第211-3-1】一次エネルギー国内供給の推移(石油、石炭、天然ガス、原子力、水力、新エネルギー・地熱等)
 ※ 国内で使用される全ての一次エネルギーのうち、化石エネルギーが占める割合は約88%。
 
 なお、一次エネルギーの増加とGDPの伸びには相関があることが知られています。
 (上記のエネルギー白書より:【第211-1-1】最終エネルギー消費と実質GDPの推移)
● 国際エネルギー動向:エネルギー需給の概要等(エネルギー白書2013, 資源エネルギー庁)
 http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2013html/2-2-1.html
 ※【第221-1-2】世界のエネルギー消費量の推移(エネルギー源別、一次エネルギー)
 ※ 世界全体で使用される全ての一次エネルギーのうち、化石エネルギーが占める割合や約80%。
二次エネルギー= 一次エネルギーを変換・加工したエネルギー(ガソリンや灯油、電気、都市ガス等)
● 暮らしに必要なエネルギー:一次エネルギーと二次エネルギー(日本のエネルギー2010, 資源エネルギー庁)
 http://www.enecho.meti.go.jp/category/others/tyousakouhou/kyouiku/panhu/pdf/energy2010.pdf

  化石燃料が世界全体の一次エネルギーの約9割、その他の自然エネルギーはわずか1~2%

下記資料によりました。なお上記の「エネルギー白書」では化石燃料が占める割合は約8割でした(2010年時点)。
● 2011年の世界全体の一時エネルギー消費量 過去最大に(BP統計)(IEEJ 2012年7月)
 http://eneken.ieej.or.jp/data/4421.pdf
 ※BP Statistical Review of World Energy, June 2012に基づく。

  石油は食料生産にも活躍

● アフター・ピークオイルの農業を考える(農研機構 篠原信)
 http://homepage3.nifty.com/sustena-life/091123shinohara.pdf
● 日本は何人養える?・・・「石油でできたコメ」と食糧危機(九鬼信)
 http://www.janjanblog.com/archives/33908

  世界も日本も石油をたくさん使っている。

「BP Statistical Review of World Energy」や下記の資料などを参考にしました。
● 1日あたりの石油の消費量の多い(2011年)(外務省)
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/oil_ex.html
 ※なお本書文中では「日本は世界第3 位の石油消費国(1 位はアメリカ、2 位中国)で、(ドラム缶にして)
  約440 万本を一日で消費します」と書きましたが、これは2010年の消費量データに基づいています。
  2010年→2011年で石油の消費量は約6%も増えています。
● BP エネルギー統計レポート 2012 年版解説シリーズ:石油篇(2012年)(前田高行)
 http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0231BpOil2012.pdf
 上記ではベネズエラの躍進とその真偽についても触れられています。
●一次エネルギーの動向(第2部 エネルギー動向)(エネルギー白書2012, 資源エネルギー庁)
 http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2012html/2-2-2.html
  
 ※上記資料の【第222-1-4】世界の石油消費の推移(地域別)。世界中で約8,738万バレル/日の石油消費(2010)。
● 石油価格はだんだん上昇(ブログ海の研究者)
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2011-08-27

  サウジアラビアのガワール油田

● 奇跡の国:サウジの石油はいつまで世界を支えられるのか?(石田聖, JOGMEC石油・天然ガスレビュー)
 https://oilgas-info.jogmec.go.jp/review_reports/1006101/1006126.html
 ※なおガワール油田の地図のスケールは誤っているようだ。
● The Elephant of All Elephants(Saudi Arabia's Ghawar Field, Explorer, January 2005)
 http://www.aapg.org/explorer/2005/01jan/ghawar.cfm
 https://explorer.aapg.org/story/articleid/40740/the-elephant-of-all-elephants
またこちらも御覧ください。
● 世界最大のガワール油田(ブログ海の研究者)
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2011-09-12

  日本の近くにガワール油田を持ってきてみた

  井戸を100本掘っても、石油を汲み出せる井戸は2~3本程度

● 石油は、どうやって見つけるの? (What's 石油)(石油情報センター)
 http://oil-info.ieej.or.jp/whats_sekiyu/1-3.html
 ”1本の井戸を掘るのに陸上で5~10億円、海上で30~50億円もかかる”
 ”井戸を100本掘っても成功するのは2~3本?”
● 石油掘るのに最低いくら掛かりますか?(石油クラブQ&A)(石油技術協会)
 http://www.japt.org/abc/sekiyu_club/sekiyu_QA/faq.html#g11
 ”日本の陸上で深度数百m程度の井戸を掘るならば、数千万程度の費用”
 ”水深1000m以上の海域で、深度数千mの井戸を掘るとしたら、数十億円”
 ”具体的な例は、情報誌(Oil and Gas Journal、Hart's E&P等)に出るケースもあります”

  石油が貯まる条件を満たしている場所


左:反射法地震探査による石油探査の例(下記 へ加筆、解像度を落としています)。右:石油貯留層の概念図。
● 物理探査学会(編), 図解物理探査, 240 pp., 1989.

  海底電磁探査で打率を上げる


代表的な海底電気・電磁探査法。下記資料より。
●後藤忠徳・桜井紀旭・高木亮・笠谷貴史, 海底電磁探査の近年の進歩とメタンハイドレート検出への適用,
 地学雑誌, 118, 935-954, 2009.


海洋CSEM 探査により得られたノルウェー沖北海の海底下の比抵抗構造。下記資料による。
● Abubakar, T. Habashy, V. Druskin, L. Knizhnerman, and D. Alumbaugh, 2.5D forward and inverse
 modeling for interpreting low-frequency electromagnetic measurements, Geophysics, 73, 4, F165-F177,
 doi: 10.1190/1.2937466, 2008.

  石油がなくなる日

「昔に比べれば、近年は大規模な油田が見つかっていない」傾向があります。下記を参照ください。
● 世界最大のガワール油田(ブログ海の研究者)
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2011-09-12
個別の油田の世界の石油生産量は横ばいで、それ以前のように毎年増えつづけるという傾向も見られません(下記)。
● 原油価格はなぜ上昇するか?(ブログ海の研究者)
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2011-09-04
ところが石油を採りつづけることができる年数(可採年数)は1970 年代には「あと30 年」でしたが、
現在は「あと45 年」です。
● 石油の可採年数推定値の変遷(小出裕章)
 http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kid/energy/s-kasai.htm
これをもって「石油は”限られた資源”ではない」という論調の研究者が(小出氏も含めて)みられますが、
それが誤りであることは、本書「地底の科学」で指摘したとおりです。

  地下を斜め下や水平方向など自由に掘り進む技術

● 水平坑井: うまく使えば、回収率向上の万能薬(JOGMEC)
 https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1003850/1003863.html
これらの技術を用いたシェールガスなどの開発が行なわれていますが、1つの井戸からの回収量は低く、
「ヒットアンドウェイ」的な資源開発が行われているようです。
● 藤田和男, 高橋明久ほか, トコトンやさしい非在来型化石燃料の本, 日刊工業新聞社, 160pp., 2013.

  予測とは異なり、2000~2013年の間の気温上昇はたった0.1℃

確かに気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の気温上昇予測に対して、2005年の気温はかなり低く、2015年頃には予測を大幅に下回りそうです。どうやら、温室効果ガスにより地球が「すぐに」暖められないことが分かってきました。しかしそれは地球温暖化が「おきない」ことを意味するのではなさそうです。地球温暖化の仕組みが複雑であり、温室効果ガスの増加が直ちに気温上昇に転嫁されないことを意味するだけかもしれません。
A sensitive matter(The Economist)

  原子力発電所周辺の警戒区域(立入禁止)は解除

● 古里帰還なお遠く/原発20キロ圏、警戒区域解消 福島
 http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20130529_01.htm

  震源地に近かった宮城県の女川原子力発電所は、震災後には避難所として機能

● 明暗! 最悪事故の「福島」と避難所「女川」 復興に不可欠な「東通」のルーツを現地取材
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32200
● これで当分、原発は動かせない(ブログ海の研究者)
 http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2011-07-08

  「オンカロ」と呼ばれる地下施設

 
●「 オンカロ」の概念図。パンフレットより。
 http://www.posiva.fi/files/375/Onkalo_ENG_290306_kevyt.pdf
● オンカロ フォトギャラリー
 http://www.posiva.fi/en/databank/image_gallery
 ※現在休止中。(参考:news.com.au
● オンカロでの物理探査
 http://www.posiva.fi/files/1142/WR_2009-113web.pdf
 Full-scale Demonstration Experiment at Onkalo URCF, Midterm Conference - Montpellier (October 25-26 2012)

  化石海水、化石淡水

● 幌延地域を事例とした地質環境の長期安定性に関する研究
 (地質環境の長期安定性研究検討委員会 第9回資料7, 2011)
 http://www.jaea.go.jp/04/tisou/iinkai/anteisei_iinkai/9-7.pdf
 ”(スライド6枚目)深部の地下水を(中略)100万年以上滞留している化石海水と同定”
● 海底下に広がる大規模な淡水層の発見
 Uchida, T., T. Ueda and Y. Mitsuhata, 2D MT transect across a shoreline in northern Hokkaido, Japan:
 discovery of fresh water aquifer in young sedimentary formation beneath seafloor, Extended Abstract,
 21st EM Induction Workshop, Darwin, Australia, July 25-31, 2012.

  100,000 年後の安全

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● これが「10万年後の人類の顔」です
 http://rocketnews24.com/2013/06/12/338852/